長い巣篭もり

巣篭もり中の僕に面白いことはあまり起きない。

そんな中での明るいニュースといえば、僕のじいとばあがスマートフォンにしたということだ。パカパカ携帯のサービスが2026年に終わってしまうということが理由の一つにある。

手続きや設定をしていて思うけど、そんじょそこらのオジイオバアには間違いなく無理。なんならうちのお母さんにも無理。お年寄りは置いていかれる定めにあるのだろうか。各種設定を終えて、手帳型カバーと保護フィルムの装着をして渡す。これでラインが使えるようになった。世界にうちのじいちゃんとばあちゃんしかいないと仮定すると、ばあちゃんの方がスマホ中毒だ。そんなばあちゃんの一週間の通信量は0.02ギガ。じいちゃんは買った時の箱にそのまま入れて部屋の隅に大事に保管。果たして携帯電話という言葉は適切なんだろうか。

介護職の友人から聞いた、施設の可愛いおじいちゃんエピソードがあるから紹介したい。

連日のコロナウイルスのニュースでよく聞こえてくるのが”味覚障害”というワードだ。そのおじいちゃんは味覚障害を自覚しており、それで不安になってしまったらしい。おじいちゃんは勇気を出して自分に味覚障害があることを職員さんたちに伝えた。「わしはもしかしたらコロネかもしれん」この時誰も「コロネ」という文言にツッコミを入れる人はいなかったという。国家緊急事態はツッコミすらも許さない。すぐに個室におじいちゃんは移され、お熱を測られ症状のヒアリングが始まった。

「熱はありませんね。味がわからなくなったのはどれくらい前ですか??」

「20年前くらいじゃったかな」

「〇〇さん、それコロナじゃないや、持病!」

この後施設の事務室は笑いに包まれたという。大変な時代だけど、こういうニュースを聞くとほっこりする。手洗いうがいは念入りに。

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