なんだオラお前という言葉の持つ魅力

今朝は心地よい筋肉痛に包まれながら目を覚ました。コーヒーと同時進行でプロテインを用意し、カフェインとタンパク質を補給する。これが僕のモーニングルーティンだ。さて世の中はバレンタインだ。今ジョイフルでこれを書いているのだけど、前の席の女子高生の会話が可愛くて仕方がない。「ナガノになんか今日渡せなくって、やっぱ月曜渡す!」と聞こえてくる。青春の純度が高い素敵な会話だと思った。

今日は日中、広島県某所の郵便局に行く機会があった。

ものすごい量の荷物を送った人がやってきて局員さんがあたふたしていた。僕がその大量郵送物さんの後ろに並んで待っていると、6名の列が出来上がった。僕の次におじさんがやってきた。そのおじさんは僕の後ではなく、僕の真隣に並んだ。僕はこういう風に規律を乱す並び方をする人が大嫌いだ。負けず嫌いの僕は抜かされるのではないかとソワソワしてしまう。5分ほど待たされて僕の番になった。すると僕の真隣に並んだおじさんは紳士的な口ぶりと仕草でこう言った。

「お先にどうぞ」

お先にどうぞと言われたが先に並んでいたのは僕だ。なんでお前が僕に譲ったみたいな感じを出しているんだ。無視するのも悪いし、エッセイに書くべき出来事もなかったので通常であれば言わなければいいことを思い切って言ってみた。

「バッチリ先に並んでいたのは僕ですから、お先に行きます」

それはもう風が吹くくらいに爽やかに言ってみた。何が起きるかワクワクが止まらない。

「なんだオラ(pa)お前」

おじさんは僕をこんな風に威嚇した。僕は筋トレをしはじめてからというもの、あまり恐怖を感じない体になってしまった。しかもまだ僕の筋肉レベルは「この人ちょっと鍛えているかな?」レベルだ。このレベルで恐怖を感じなくなったのならば、一体この先僕はどうなってしまうのだろうか怖くなってきた。

相手を威嚇するタイプの人間は経験上「ら」の部分を巻き舌風に発音する傾向がある。このおじさんもご多分に漏れず巻きに巻いていた。あれってよくよく考えると、とても不思議な現象だ。僕が少しだけ喋ることができるロシア語でいうならば「P」の発音だ。ヤンキーの「ら」はロシアのPa(ら)なのだ。一つ簡単な例をあげると「Здравствуйте」(ズドラーストビーチェ)こんにちは、という意味の言葉がある。というか、「なんだオラ」のオラってなんなのだ。

僕がオラと聞いて最初に思い浮かべるのが、ポルトガル語の「こんにちは」だ。しかしTPOから考察するとおじさんの使ったオラは挨拶ではない。魚津弁で俺や自分を意味する、ドラゴンボールでおなじみの一人称オラとも違う。調べてみると「オラオラ」という言葉がある。これは乱暴に言いつける時に発する語で、「おらおら道を開けろ」などのシーンで用いられる。そのほかにも不遜、横暴、傍若無人、相手を見下すような態度や性格を表す言葉としても用いられる。現代ではオラつくという風に使われることが多い。威嚇するおじさんが僕に使ったのは「オラオラ」の短縮系の「オラ」だ。短縮せずに丁寧な表現をした場合、今回のケースは「それが何だ、オラオラ、御前」という感じになる。これだとすごく知的だし、どことなくユーモアもある。

僕は久しぶりに人に威嚇された嬉しさと、オラという言葉の持つ不思議な魅力にニヤけながら「ウフフ」と言ってしまった。おじさんは困惑の表情を浮かべ、僕からパッと目をそらした。どうやらオラはこのみっともない勝負に勝ったみたいだ。

「レターパックライト一つください」

3 COMMENTS

お先にどうぞって?!と思いました
ありえないですね❗
ロシア語何で話せるの?と思ったのと、うふふに笑いました

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masumoto

身の周りに変なことが起きると、嬉しくって仕方がないのでウフフとなります。嫌なこともウフフにすると、楽しいですよ!

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