フロスはお得意

僕は24歳だが、虫歯になったことがない。成人の8割がなったことがある虫歯になったことがないのは自慢してもいいことかもしれない。余談だがディズニーランドに行ったことがない人の割合も全国で平均すると約2割になるらしい。これはもしかすると、ディズニーに行ったことがない人は虫歯になりにくいと言ってしまってもいいかもしれないと書こうとしたんだけど、それはあまりに横暴だと躊躇する。夢を与える代わりにディズニーがミュータンス菌(虫歯禁)をばらまいていると根拠はない。そんなわけで僕は歯科検診に行った。

優しく大変に感じの良い先生で、太っていて清潔感が無い以外に結婚相手が見つからなくて困っている理由が全く見つからない。先生は僕に口を開けるように指示する。指示を受けて僕は口をオープン。「虫歯はなし、歯茎をツンツンして出血みますね〜」なんか腹たつなと思った。結果的に僕の歯周ポケットはめちゃくちゃ狭く健康この上ない歯茎だった。

この検診の後、フロスのやり方を教えてもらう。僕はこのフロスが苦手だ。デンタルフロスYの字タイプを使っていたが、やはりランニングコストを考えると糸を使いこなした方が安いし清潔だ。川原さんという女性が教えてくれた。彼女もまた僕に口を開けるよう指示を出してきた。糸を巻く様子を見せながら「こうして、こうして、こうです!!」と川原さんは言った。出た感覚派。なんのことはない僕だって感覚派だ。感覚派で思い出した全く関係ない話がある。僕が通っていた小学校は相撲場がある珍しい小学校で、相撲大会があった。四股名は毎年自分で決めるんだけど、その中の一つを今でも強烈に覚えている。

「黒竜丸」

黒き竜の丸だよ。すっごい中二病じゃないの。それでいて身体はひょろひょろなもんだからすぐに負ける。翌年は雷を使ってやっぱり負けた田中山とか、山本海とかそう言う当たり前の名前に負ける。雷でも黒い竜でも負けるんだから、名前なんてやはり関係ないのだろう。話をフロスの授業に戻そう。右奥歯の歯間をフロスでキレイキレイしていると、川原さんが声をかけてきた。「どうですか??」僕はなんだかよくわからなくて、奥歯を綺麗にしたフロスを嗅いでみた。そして答えたんだ。

「ドブです」

「いやそうではなくて、うまくできますか??」

川原さんは冷静に返してきた。しかし歯間の歯垢はまさしくドブの香りだ。虫歯や歯周ポケットもなく歯間のケアを普段からしている僕ですらドブだ。息が臭い状態の人の口の中の細菌数は人糞よりも多いという。それらの細菌が出す揮発性硫黄化合物というガスが原因だ。磨き残しはドブを人糞にまで育て上げる。積極的にお口のケアはしていきたいものだ。

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