タイで野犬に追いかけられた時の話(アユタヤ編)

バンコクを発った僕は、タイの古都アユタヤに向かう。

アユタヤはまさしく「いにしえ」って感じらしい。廃墟好きを自称する僕としては行かないわけにはいかない。

古都アユタヤに出発

バンコクのファランボーン駅に着いた。ここから鉄道を使ってアユタヤ駅に向かう。1時間半ほどの移動だけど、乗車賃は驚天動地の20バーツ(約70円)なんて安さだ。あまりの安さに僕はしばらく放心状態だった。列車が出発するまでの間暇だったので周辺を散策していると、盛大にこけてipadを落とした。なんか隅っこが凹んでしまったけど、なんてことはない旅の思い出だ。

ここでも怪しい客引きに引っかかって、謎のツアーを契約しそうになってしまった。観光客に親切な現地の人には気をつけなければいけない。

列車に乗り込むと、むわんとした感じだ。窓は開け放たれているけど、エアコンの効いていない車内はなかなか暑い。向かいの席に座る子連れのバックパッカーがいた。お父さんとお母さんの膝をベッド代わりにスヤスヤと眠っている。僕もこんな風に家族で旅を楽しみたいなと思った。

アユタヤに到着、最低な乗り心地のトゥクトゥク

車窓の外がだんだんと暗くなって、夜になる頃にアユタヤに到着した。駅のホームには当たり前みたいにタイの野犬たちが寝転がっている。タイ名物道を塞ぐ犬だ。駅の外に出ると、たくさんのトゥクトゥクドライバーがいた。トゥクトゥクというのはこういうやつで、乗るだけで楽しい気分になる魔法の乗り物だ。乗り心地は控えめに言って最悪のマシンだ。

ドライバーたちは観光客を見つけるとグイグイくる。日本では考えられないくらいのグイグイ感にこの国の勢いみたいなものを感じる。行き先を告げると価格の提案をしてくる。半額を提示した後徐々に落とし所をつけていく。言い値で買う文化のある日本人には少々難しい交渉かもしれない。妥協できる値段になったら、トゥクトゥクに乗り込む。流れていく知らない街の景色を見ると、自分が外国にいることを実感する。

そうこうしているうちに宿に到着した。アーリー・バードという名前のゲストハウスだ。男女6人のドミトリールームだった。バンコクでは屈強な刺青男たちと相部屋だったので、まだこちらの方が安心できる。韓国の女の子2人と、ドイツ人中年女性、ドイツ人カップルがルーミーだった。

僕は少し疲れていたので、少ない洗濯物を済ませて眠った。

アユタヤをチャリンコで爆走

そのお宿の朝食は、コーヒーとシリアルと果物をバイキング形式でというスタイルだった。席に座ってふと前を見ると、みたこともないようなおしゃれ空間になっていた。改めて西洋人の醸す謎のおしゃれ感について考えさせられる。僕もいつかこんな素敵な雰囲気を醸してやるんだと心に決めた瞬間だった。

朝食が終わったので、チャリンコを使ってアユタヤを巡ることにした。アユタヤはそれほど大きくないので自転車でも十分に回ることができる。バイクを借りることができたら、バイクがいいかもしれない。タクシーで回るより経済的で、楽しい旅になると思う。

アユタヤはものすごく田舎だ。何もない場所に忘れ去られた遺跡群が点在する。さすが古都と言わざるをえない。のんびりゆったりとした気持ちで、サイクリングを楽しむことができた。さらに言えば、おしゃれな画像がたくさん撮れて満足した。旅のために頑張ってgoproを買ったが本当によかった。正直この一回の旅で元が取れたと満足したほどだ。

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像の前にたくさんの鶏が飾られている場所があった。仏教と鶏の関係がどうもわからない。疑問に思って聞いてみると、像は昔の国王様のもので、昔の国王様が鳥が好きだったからということだった。国王様はものすごく愛されてたんだなあと、なんだかほっこりした。

リサイクル献花ビジネスが賢すぎて感心した

どでかい仏像が寝そべっているところに、献花がされているのがみられた。ワット・ロカヤスタという場所だ。一瞬タイの信心深さを感じたが、どうやらこれは違ったみたい。タイのおじちゃんが話しかけてきて、何を言っているのかさっぱりわからなかったが、10バーツで献花の花を買わないかということだった。

僕は10バーツを払ってこの小さな寝そべり仏像に献花をした。

ここには結構な量の観光客がくるはずで、10バーツならもっとたくさんの人が献花しそうなものだけど、献花は見える範囲で5つしかされていない。これに疑問を感じた僕はしばらく遠くから見守っていた。

しばらくすると、おじさんは僕の献花した花をおもむろに回収した。そして別の観光客に何やら話しかけて、その花と引き換えにお金を受け取った。観光客はおじさんに祈り方を教えてもらいながら丁寧に献花をした。

これは賢い!!!

ものすごく賢いビジネスだと思った。少ない仕入れで、最大限の効果。ビジネスのお手本みたいじゃないか。僕みたいに興味を持って観察しない限り、おじさんはお金を手にして、観光客は安く文化体験ができる。まさにwinwinだ。

夕方のボートツアーで綺麗な景色をみた

200バーツ(600円)と格安のボートツアーがあったので参加した。宿泊先のオーナーが斡旋しているサービスだ。何にもない、だだっ広い川を進んでいく。

遺跡について、船を降りる。夕日が出る前に遺跡を見学してきたらいいよと言われ散策した。自転車で回っている時も思ったけど、首のない仏像がものすごく多い。英語でガイドが喋っているのを盗み聞きしたところ、18世紀にビルマによってアユタヤが攻め滅ぼされた際に軍隊が破壊したということだった。各所で復元作業が行われているのは、地震や経年劣化じゃなくて人のせいだったみたいだ。

観光客がこの首のない仏像に登って、首のところに顔を置いて記念撮影をしているのをみた。これはいけないなと嫌な気持ちでいると、白人大男がすごい剣幕で怒鳴り散らしていて、少しスカッとした。旅の恥はかき捨てという言葉がある。この言葉は旅の間の恥はかき捨てだから、何をしても問題ないということではない。本来は旅先で恥をかいて落ち込んでいる人を慰めるための言葉だ。

そういえばワット・プラ・マハタートという場所に木の根に包まれた仏頭があった。あとで調べてみるとこれも破壊の跡らしい。ビルマ軍に破壊され転がった仏頭を包み込むように木の根が成長して今のような形になったということだ。すごく神聖な感じがする。今では立派な観光資源になっている。

夕日と寺院の作る景色はとても綺麗で、みんなそれぞれのお気に入りの場所から、辺りが暗くなるまで景色をじーっと見ていた。

野犬に追いかけられて、人生で初めて本気になった

船を降りて帰り道、自転車を漕いでいると野犬の縄張りを犯してしまったのか、ものすごく追いかけられた。途中で後ろを振り返ると一匹増えているではないか。海外で狂犬病はシャレにならねえと、必死になって自転車を漕いだ。もしかすると生まれて初めての本気だったのかもしれない。自転車に乗っていなければビーサンの僕は死んでいたかもしれない。

ゲストハウスに戻ると、1日の自分たちの小さな冒険をビールを飲みながら語り合った。いい時間だなと思った。

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